「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」についてのページです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
カルロの葛藤
前回にあたる第49話「勝者の条件!」にてバトルのない純粋な勝利を経験したカルロは、この第50話および第51話で葛藤し苦しむこととなります。
比較的早く改心したミハエルと、自分の考えを変えることができなかったカルロから、2人の境遇や価値観がうかがえ非常に示唆的な回だと思います。
シーンの解説
勝者の条件を手にしたカルロ
あいつらには負けられねぇ、
負けられねぇんだ!アニメ 爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP 第四十九話「勝者の条件!」(ミニ四駆チャンネル【コロコロ×タミヤ公式】)(youtube)より引用
前回において、初めてバトルを封じて勝利を収めたカルロ。
これまでもカルロはルキノと異なりバトルは確実に勝つための手段であり、不要ならバトルはしないスタンスでした。
しかし今回のレースはまた状況が違いました。
なぜなら、ジュリオが言う通り雨でスリップしたと見せかけてソニックとベルクカイザーを破壊したほうが、より確実に勝てて合理的だったからです。
そんなジュリオの指示を感情論で無視し、初めて不合理ともいえる「速さでの勝利にこだわった」カルロ。
その中で勝利した充実感と喜びの感覚に、カルロは戸惑うこととなります。
ミハエルと豪に反発するカルロ
楽しんで勝だと?
ちっ!冗談じゃねぇ。
冗談じゃねぇ!勝負は勝つことが全てだ。
勝つ奴は1人だ。
最後に残った奴が勝者だ!アニメ 爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP 第五十話「世界一へスタート」(ミニ四駆チャンネル【コロコロ×タミヤ公式】)(youtube)より引用
カルロの葛藤と晴れない気持ちを、トンネルのコースの暗さで表現した終盤のシーン。
豪との関りで素直に改心したミハエルと比べると、カルロはいささか頑固なイメージを受けるかもしれません。
しかし、ミハエルが改心しカルロが葛藤した2人の違いは深いなぁと思います。
貧しい境遇からミニ四駆1つで這い上がってきたカルロにとって、恵まれた家庭環境でミニ四駆を楽しんでやれる他チームは苛立ちを隠せない対象でしょう。
バトルをしてでも勝たないといけない状況に、「自分は奴らとは違うんだ」と何度も思ったことでしょう。
カルロはバトルをしてでも勝ち続け這い上がってきたことで、「不幸な境遇をバネにした」と自分の人生を肯定できていたのではないでしょうか。
しかしながら、第2セクションで純粋な勝利の喜びとレースの楽しさを知ってしまったカルロ。
カルロは内心、純粋な勝利を求める正しさに気づいてしまいます。
しかし、ミハエルのように簡単に改心はできません。
豪達の考えを認めることは、今までの自分の否定であり、それは自分の境遇がバネでもなんでもなくただの理不尽な不幸であったと認めることになるからです。
本編解説
補足記事