「GRIDMAN UNIVERSE」シリーズのネタバレを含みますのでご了承ください。
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2代目の示唆
映画「グリッドマンユニバース」にて、自分達の世界が作り物であることを知り葛藤する蓬。
これに対して2代目(怪獣少女)は、「虚構を信じることができるのは人間の力」といった旨の考えを説き、蓬の世界に対する受容に貢献します。
このシーンは非常に哲学的で重要なシーンと思えますが、いかんせん尺が短く(前知識がないと)言葉足らずであった印象もあります。
解釈は人それぞれでしょうが、
2代目が言いたかったことは、端的には「人間は想像力でネガティブになることもポジティブになることもある。それは人間にとって大切なこと。だから不安になりすぎず、自分の目の前のものを大切にしたらいい」といった意味合いと言えます。
解説
虚構を信じることができる人間
虚構(フィクション)を信じることができるのは、人間の特長の1つであると考えられています。
この考えはグリッドマンユニバース固有のものではなく、実際の学問(哲学や人類の進化)でしばしば言われることです。
ここで言う「虚構」とは単に「嘘」という意味にとどまらず、「自分が信じている物語や文脈」「実際に目にはしていないけれど知識として知っている物事」なども含みます。
人は物事に対してどんな文脈があるかで感じ方が変わります。
例えば自分の日常が全く同じでも、「今自分がいる世界は仮想世界」と言われれば戸惑うでしょう。
一方で、「友達」という目には見えないつながりを大切に思えることも、物語を信じられる力と言えます。
人間が人間らしく生きるには、物語を信じる力が必要不可欠です。
このあたりはまったく別の書籍になりますが、世界的なベストセラーである「サピエンス全史」などを読むとより理解が深まります。
グリッドマンユニバースにおける虚構の示唆
映画「グリッドマンユニバース」にて自分の世界が作り物だと知らされ蓬は戸惑います。
しかしながら裕太達もそうでしたが、自分達の世界が創られた世界だからといって日常生活が変わるわけではありません。
どのような世界であってもそこには日常があり、「大切な人」や「友達」がいます。
「SSSS.GRIDMAN」にて六花はアレクシスから自分達の存在を軽んじられながらも、力強く自身の存在を肯定します。
時として残酷な現実に対して、人は自分なりの物語や信じるものを見つけながら力強く生きてきました。
2代目は蓬にそういった人間の強さを伝えたかったのではないでしょうか。
参考資料