アニメ映画「空の青さを知る人よ」についてページです。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る
空、青いね。
出たい出たいって思ってたけど、
こんなに綺麗だったんだね。
空の青さを知る人よより引用
「井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る」とは、
1つの場所・考えだけでは見識が狭まる一方で、
1つの場所を追求することで見えるものもあるという意味の言葉です。
映画「空の青さを知る人よ」におけるテーマであり、登場人物の「あかね」が好きな言葉として卒業文集に引用します。
ことわざの解説
諸説ありますが、そもそそも「井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る」というのは1セットの正式なことわざではありません。
「井の中の蛙大海を知らず」という故事に、「されど空の青さを知る」という言葉が後付けされたものです。
つまり元々の故事としては「狭い世界に閉じこもっては見識が狭まる」という戒めの意味のみです。
これに「されど空の青さを知る」という前半をカバーするポジティブな意味が後に日本で加わります。
「空の青さ」は「空の深さ」と言われることも多く、
「井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さを知る」
と言われることもあります。
こちらのほうが全体の完成度としては高いでしょう。
前半と後半の言い回しが、「広さ」と「深さ」でちょうど対になるからです。
「井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さを知る」とは、広い世界を知ることも、今いる場所を見つめ直すことも双方大切なことだという教訓になります。
ただまあ、映画のタイトルとしては「空の青さ」のほうが綺麗というかまとまりがありますね。
狭い井戸の中の蛙は、広くて青い海は知りませんが、その狭くて暗い井戸であるがゆえに空の青さを感じることができるでしょう。
反対に、大海では海の青さで空の青さに目がいかないかもしれません。
このように解釈すると、「井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る」という表現も「深さ」に劣らず含蓄のある表現だと思います。
補足記事