「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」とは?
古き良き昭和の世界観を取り戻そうと大人達を操る組織「イエスタデイ・ワンスモア」。
その代償として未来が奪われてしまうかもと、しんちゃん達「カスカベ防衛隊」および野原一家は「イエスタデイ・ワンスモア」のリーダーであるケンのところへ乗り込む。
というお話です。
2001年に公開され、制作当時は賛否両論あったものの、
「大人も感動するクレヨンしんちゃんの映画」として高い評価を受けることになります。
2005年の「ALWAYS 三丁目の夕日」をはじめとして、
2000年代は「昔ってよかったよね」というノスタルジーを肯定する風潮があった中、
「オトナ帝国の逆襲」は「過去を懐かしむ」気持ちを認めつつ、それでも「未来」の大切さに重きを置いたメッセージ性の強い作品でもあります。
今日はそんな「オトナ帝国の逆襲」の名言です。
「オトナ帝国の逆襲」名言
昔、外がこの町と同じ姿だった頃、人々は、夢や希望に溢れていた。
21世紀はあんなに輝いていたのに、今の日本に溢れているのは、汚い金と、燃えないごみぐらいだ。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
ケンがチャコと共にノスタルジーな町を歩きながら語ったセリフ。
ケンの信念が垣間見えるシーンです。
外の人達は、心が空っぽだから、物で埋め合わせしているのよ。
だからいらない物ばっかり作って、世界はどんどん醜くなっていく。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
チャコ「外もこんなだったらいいのに」
ケン「いずれなる」
チャコ「切なくて、素敵」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
「切なくて素敵」とはまさに郷愁を表わすのにぴったりの言葉ですね。
お前達が本気で21世紀を生きたいなら、行動しろ。
未来を手に入れてみせろ。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
ケンが野原一家に行ったセリフ。
圧倒的に有利な状況でありながら、あえて野原一家を逃がし、正々堂々未来をかけて戦うケンの姿勢は敵ながらあっぱれ。
ケン「戻る気はないか?」
ひろし「ない! 俺は家族と一緒に未来を生きる」
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
ケン「残念だったよ野原ひろし君。つまらん人生だったな」
ひろし「俺の人生はつまらなくなんかない。
家族がいる幸せを、あんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
ケンがひろしに「懐かしさ」に戻らないか再び誘いかけ、それに対するひろしの言葉。
やっと人らしい顔になったなあ。
いいじゃん。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
地面に倒れながらもケン達が乗るエレベーターを止めようとするひろし。
足で蹴ろうとしたチャコのパンツが見え、チャコが頬を赤らめたときのひろしの言葉(笑)
本人達の表現を借りると「夢や希望に溢れていた」時代を取り戻そうとするケンやチャコ。
しかしそんなケンとチャコが作中もっとも無表情であるというのは皮肉です。
彼らには過去を懐かしむゆえの悲しさのような感情もあるように思えます。
オラ、父ちゃんと母ちゃんやひまわりやシロと、もっと一緒にいたいから。
けんかしたり、頭にきたりしても一緒がいいから。
あと、オラ大人になりたいから!!
大人になって、お姉さんみたいな綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!!「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
ボロボロになりながらケンとチャコを追い、倒れ込みながらチャコに言ったしんのすけのセリフ。
単に「未来」が大切なのではなく、その未来で「誰かと一緒にいれること」や「誰かにで会えること」の素晴らしさを言うしんのすけ。
ずるいぞ!!
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
戦いに敗れ、飛び降りて命を断とうとしたケンとチャコに対してしんのすけが言った言葉。
本人としては、2人がバンジージャンプをしようとしたと勘違いしたそうですが。
野原一家に負けて自分達の未来を放棄するケンとチャコに対する「ずるいぞ!!」というセリフは、本作のテーマである「懐かしさにしがみつくのではなく未来を生きる」というメッセージが読みとれますね。
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