今日は、初めて観る人用にできるだけネタバレを避けた内容で「鋼の錬金術師」という作品について書いていきます。
「鋼の錬金術師」とは連載漫画が原作の作品であり、2回にわたってアニメ化がされています。
今回は1回目のアニメ化にあたる鋼の錬金術師のアニメ1期についてです。
放送当時、原作が完結していなかったこともあり、
アニメ1期は原作とは設定が異なっており、特に後半からは原作とは違ったストーリー展開になっていきます。
このようにオリジナル展開ではあるものの、話はきれいにまとまっており、
これはこれでおもしろい充分見応えがある作品です。
鋼の錬金術師(以下、ハガレン)の世界の雰囲気は19世紀のヨーロッパ。
とはいえ現実世界とは異なるパラレルワールド。
ハガレンの世界では2つの技術が特に発展しています。
1つは錬金術。もう1つはオートメイル。
ハガレンの世界では、
錬金術は「何かを得るためには同等の代価が必要」という等価交換の原則に従った科学技術とされます。
何もないところから何かを生み出すことはできませんが、
例えば壊れたラジオでもパーツがそろっていればラジオを生み出せる。
ハガレンの世界はは錬金術が発達した世界です。
錬金術を行う際は練成陣(魔法陣のようなもの)の上に生みだしたい物質の材料をおいて行います。
ハガレンの世界で発展しているもう1つの技術がオートメイル。
オートメイルとは金属製の義手。
ハガレンの世界では戦争や事故で手足を失った多くの人がオートメイルをつけています。
オートメイルは取り付けの際に非常に痛みを伴うなどたいへんなところもありますが、使いこなせば本物のと手足とそん色ない動きができる便利なものです。
田舎の村で平和に暮らしていたエドワード・エルリック(通称エド)と弟のアルフォンス・エルリック(通称アル)。
ところがある日、病で母を亡くしてしまう。
エドをアルは幼いながら錬金術を研究し、死んだ人間を錬金術によってよみがえらせる「人体練成」を試みる。
しかし成功事例がないほど高度な錬金術である人体練成にエドとアルは失敗してしまう。
失敗した反動でエドは左足を失い、アルは消滅してしまう。
人間の材料を集めても、人をよみがえらせることはできないと悟ったエド。
しかし唯一の兄弟であるアルを取り返したいと今度は自分の右腕を代償に弟を取り戻そうとする。
結果、腕一本で弟を取り戻すことはできず、アルは魂だけこの世に戻り体は鎧の体となってしまう。
死んだ人間をよみがえらせたいと試みるも、兄弟は母を取り戻すどころか、
兄は片手と片足を、弟は肉体全てを失うという結果になってしまう。
エドとアルは失った体を取り戻すため、旅に出ることを決意する。
旅の目的は「賢者の石」を探すこと。
賢者の石とは伝説の錬金術増幅装置で、賢者の石があれば通常の錬金術では困難な体の練成が可能になるという。
旅をするためエドは手と足にオートメイルを装着し、「鋼の錬金術師」として後に名が知れ渡ることになる。
「死んだ母をよみがえらせたい」という子供の純粋な願いが、
自分の体を失うことにつながるというなんともダークなスタートで始まるハガレン。
壊れた物は錬金術で治せる。けれど一番取り戻したい人の命は取り戻せない。
手足は義手で自由に動くけれど、本当の手足を取り戻す方法はわからない。
この、魔法のようで万能ではない錬金術をキーワードに物語が進んでいきます。
何かを得るためには同等の代価が必要ということは、何かを得るために何かを失うことがつきまとうということでもあります。
彼らは自分の体の代償に何を差し出すのか?
ややダークファンタジーではありますが、子供も大人も楽しめる作品です。
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