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「SSSS.GRIDMAN」の仮説
特撮を原作としている強みを活かして、「SSSS.GRIDMAN」の最終回は実写シーンで締めくくられます。
様々な伏線が散りばめられ、1クール(12話)でありながら非常に見応えのある作品であるアニメ「SSSS.GRIDMAN」。
特撮ヒーロー作品である「電光超人グリッドマン」を原作としています。
最終回の実写シーンに関しては本編で詳細な解説はなく、このため様々な考察がなされる本作のおもしろさの1つとなっています。
個人的には、
「現実世界のアカネは仮想世界の六花に容姿が似ている説」は物語に深みを与えてくれると感じます。
解説
現実世界のアカネは仮想世界の六花に似ている説
以下が最終回の実写シーンなのですが、
最終話で六花がアカネにプレゼントした定期入れ。
さらにはスマホやメガネ、ヘッドフォン。
いずれもアカネを彷彿とさせるアイテムです。
そして「SSSS.GRIDMAN」のタイトルが入ります。
髪が長い、女子高生と思しき人物。
本編とのつながりや、実写シーンの定期入れなどから、
実写の女性は「仮想世界から出て現実世界に戻ったアカネ」という演出であることは明らかと思います。
これに伴い視聴者として疑問になるのが、
「女性がアカネというよりは六花に似ている」ということです。
部屋の小物まで細かく再現しているのに、なぜ肝心の女優をアカネに似せていないのか?
現実的な仮説として、
制作当時、アカネと六花のキャラデザインは直前まで逆だったので、女優のキャスティングが変更できなかった説。
これはこれでありそうですが、少し違う角度でも考えてみたいと思います。
つまり、実は現実世界のアカネは仮想世界の六花に似ていて、仮想世界のアカネはアカネの理想を再現したものではなかったのか?という説です。
アカネの内面と外見の解説
本編での内海の発言や、ボイスドラマにおける六花・なみこ・はっすの発言から、アカネの容姿はかなり優れていることがわかります。
まさに男女ともに好かれるクラスのアイドル的存在。
その一方で、アカネ自身の内面はどうかというと、端的に言うとコミュ症です。
ちょっとしたことですぐに苛立ったり、
六花の件で独占欲がやたら強かったり。
その他の言動も合わせてみると、アカネは自己評価が低い様子が見られます。
六花達がいる世界がアカネが作った仮想世界であり、
実写の世界がアカネの現実世界とすると、
こういった経緯から、
自己評価の低いアカネは仮想世界で「理想の自分」になっていた。
そして自分の友達として、自分の面影を残した六花を作ったという仮説に至ります。
この「アカネと六花は逆である説」は、エンディングでも淡く連想させます。
アカネの自己肯定感
この「アカネと六花が逆である説」がおもしろいのが、「なぜグリッドマンは裕太に宿ったのか?」という理由に関わってくるからです。
本編やボイスドラマのやりとりから、裕太が六花のことを好きなことは明らかです。
そして、なぜ裕太にグリッドマンが宿ったのかと言えば、裕太の六花への思いが関わっていることが終盤でわかります。
オープニングの「君を退屈から救いにきたんだ」というのは明らかにアカネを救うことを指しているわけですが、
裕太は六花を好きだった。つまり裕太はアカネが理想とするアカネではなく、現実世界のアカネを認めてくれた存在でもあったわけです。
だからこそ、アカネを救うグリッドマンが宿る先として裕太が選ばれた。
そう考えると、非常に深い話だなと思います。
映画(グリッドマンユニバース)での実写のアカネ
補足解説