アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
【目次】 [close]
お父様の最期
第62話にて真理の扉に戻ることになったお父様ことフラスコの中の小人ホムンクルス。
真理との対話は非常に示唆と皮肉に富んでおり、ハガレンの中でも深いシーンの1つと言えます。
シーンの解説
お父様の死
エド「生まれた場所に帰れ!フラスコの中の小人ホムンクルス!」
ホムンクルス「なぜだ?
私は知りたかった。
この世の全てを。
何者にも縛られず、自由に、広い世界に、私は……」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode63」(Abema TV)より引用
グリードの奮闘もあってついに賢者の石が尽きたお父様。
体を維持することができなくなり、真理の扉の黒い手に引き込まれていきます。
あえてエドが「フラスコの中の小人ホムンクルス」と呼称するのが深いなぁと感じます。
元々ホムンクルスはフラスコの中でしか生きることができないので、賢者の石がなくなったお父様はある意味で自分の本当の姿になるともとれます。
今までは他人の命(賢者の石)に支えられていただけで、本来は(エド達がちっぽけな人間であると同様に)お父様もフラスコの中でしか生きられないちっぽけな存在なのだと示唆しているように感じます。
ホムンクルスと真理の対話
ホムンクルス「なぜだ、なぜ私の物にならぬ?
神よ、何が気に入らないのだ?」真理「お前が己を信じないからだ。
他人の力を盗み、人から生まれた者のくせに、神とやらにしがみついていただけだ。
お前自身が成長しておらん。
七つの欲を切り離せば、人を超えられるとでも思ったか?
笑わせるな」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode63」(Abema TV)より引用
そして真理の扉の前で真理(?)と対話をするホムンクルス。
七つの欲が戻ったホムンクルス
ホムンクルス「私は、完全な存在になりたかった。
この世の全て知りたかった。
欲して何が悪い?
望んで何が悪い?
願い求めて何が悪い?
なんだ?
なんだお前は?
なんだっていうんだ?
何様のつもりだお前は!?」真理「私は、お前達が世界と呼ぶ存在。
あるいは宇宙、あるいは神、あるいは真理、あるいは全、あるいは一。
そして、私はお前だ。
思い上がらぬよう、正しい絶望を与えるのが真理。
だから、お前にも絶望を与えよう」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode63」(Abema TV)より引用
七つの欲を切り離していたお父様のときと異なり、かなり感情的な言動が見られる本来のホムンクルス。
それに対し真理は「正しい絶望」というホムンクルスがエド達に言った同じ表現を使います。
完全にブーメラン発言となってしまったホムンクルス。
ただし真理の扉が本当に「正しい絶望を与える存在」なのかは定かではありません。
あくまで今回はホムンクルスに対する真理の皮肉と考えられます。
フラスコの中の小人ホムンクルスはどうすればよかったのか
ホムンクルス「戻りたくない。
嫌だ。
やめろ、そこに縛られ続けるのは嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だー!」真理「思い上がった者に絶望を」
ホムンクルス「私はどうすればよかったのだ!?」
真理「お前が望んだ結末だ」
ホムンクルス「どうすればよかったのだ!?」
真理「お前はその答えを見ていただろうに……」
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode63」(Abema TV)より引用
こうして真理の扉の中に戻されたホムンクルス。
自身の過ぎた欲のために身を滅ぼすことになり、ホーエンハイムの言う通りとなってしまいます。
クセルクセスでホーエンハイムと話したときから、かなり長い時間ホムンクルスは「人間」を見てきたはずでしたが、その人間から学べんなかったホムンクルス。
フラスコの中にいる頃に自分で言っていた「フラスコの外に出る」程度に欲をとどめ、ホーエンハイムが言う「家族」や「仲間」にもっと価値を見出していれば、また違った結末だったのかもしれません。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索