アニメ「SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)」についてのページです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
【目次】 [close]
香乃はいじめられていたのか?
主に第5話の終盤から香乃の自殺の可能性が示唆され、香乃の死の背景にいじめがあったのではないかと夢芽は疑念を抱きます。
そして最終話まで「いじめはあった・なかった」というはっきりとした言葉は描写されないまま物語は終わります。
第10話を中心に描写を汲み取ると、
香乃は自身の性格もあって周囲からなかなかの「イジリ」を受けていましたが、いじめと断定できるまでの程度ではありませんでした。
そして香乃の死因もあくまで事故であり、本人がいじめを苦にしていたわけでもなかったと考えられます。
解説
香乃のいじめの伏線
第1話の冒頭では蓬達が学園祭の出し物を話すシーンがあり、その会話の中でいじめを苦に自殺した生徒がいる噂が語られます。
一方、夢芽が終始持ち歩くことになる香乃の形見である知恵の輪も第1話で登場します。
これはアンクと呼ばれる生命の象徴となる記号です。
第1話時点で、香乃が自ら命を絶った可能性と香乃自身は生きることに前向きであったという両方の可能性が示唆されています。
香乃がいじめられていた可能性
そして合唱部OGの話を聞く中で、香乃が周囲からいじめを受けていた可能性が浮上します。
しかし香乃に対する周囲(主に女子部員)の接し方が「いじめ」なのか「イジリ」なのか、当時恋人であった双葉も明言はできません。
当時の動画を見た夢芽自身も判断に迷うようで、非常にグレーな状況だったと言えます。
一方で双葉は「自殺なんかしない」と香乃の芯の強さようなものは感じており、こちらは迷いなく答えています。
香乃との対話
そして怪獣の力で過去に行き、香乃と対話する夢芽。
当時の香乃に自殺の意思はなかったこと、また香乃が夢芽以上にコミュ障であったことが判明します。
SSSS.DYNAZENONの人間描写
SSSS.DYNAZENONは俗に言う「陰キャ」と「陽キャ」の人間関係がリアルに描かれているなぁと思います。
象徴的なのがボイスドラマの金石達の会話や、稲本の旦那と暦の会話です。
露骨な敵意や悪意はないのに、互いの気質の違いからコミュニケーションの齟齬が生まれストレスに感じる。
それは「いじめ」という相手を貶める行為なのか「イジリ」という相手の気質を配慮した関わり方なのか線引きが難しいものです。
香乃の部活での人間関係はこのようなこのようなコミュニケーションの難しさを描いていると言えます。