カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
Part9 インスタント・カーマ!
ラフィング・ブルが言った。「泳ぐ鳥よ、お前の体が何で出来ているか知っているか?」
俺は言った、「知らねえよ。きっとどこにでも転がってる鳥のフンだろうさ」
ブルが言った、「泳ぐ鳥よ、お前の魂は何で出来ているか知っているか?」
俺は言った、「知らねえよ。きっとどこにでも転がっている綿ぼこりだろうさ」
ブルは言った、「その答は間違っていて合っている。お前の体は宇宙の全てと繋がっていながら、お前にしかなり得ない。お前の魂は宇宙の全てを含んでいながら、お前でしか有り得ない。それはこの私も、そして誰しも。誰かが憎ければ、お前は自分を憎んでいる。誰かを愛していれば、お前は自分を愛している。」
俺は言った。「俺は誰にも何も感じないよ」
ブルは言った、「それは、この地上で何より不幸なことだ」スパイク(カウボーイビバップ よせあつめブルース)より引用
解説
ブルとの対話形式である「インスタント・カーマ!」。
「お前の魂は宇宙の全てを含んでいながら、お前でしか有り得ない」というブルの言葉は「一は全、全は一」という鋼の錬金術師とも共通する教訓かと思います。
スパイクは「俺は誰にも何も感じないよ」ということで、他人に無関心な様子。
おそらくジュリアとの過去・ビシャスとの因縁が頭の片隅にあり、今の人間関係に意識を向けることができないのだと思います。
ブルの論法で言うと、誰にも何も感じないスパイクはつまり自分に関心がないということになります。
そして自分に関心を持てないからこそ他人に関心を持てないとも言えます。
ジェットやフェイやエドやアイン。
客観的には「仲間」がいる生活を送っているスパイクですが、「過去」に縛られ「今」を「醒めない夢」と捉えています。
過去に囚われ「今」に心を開けないことが、「何より不幸なこと」であるとブルは示唆しているのではないでしょうか。
補足記事