カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
Part7 ウォーク・ジス・ウェイ
作者が彼の読者に払う最大の敬意は、彼等が期待するようなものは一切書かないと言う事である。
そう言ったのはゲーテだ。ヤツはこうも言った。
人間の働きにせよ自然の働きにせよ、我々が特に注目しなければならないのは、本来その意図である。
まったくいい事を言うやつだ。
俺が警官をやめて賞金稼ぎになるなんざ、誰が考えただろう。
古い仲間は皆驚いてる。まったく期待を裏切ってくれるなってな。
だがそれでいい。誰も思い付かない事をやりてえじゃないか。
見た事のないこと、聞いたことのない話。
仲間達はそれを結構楽しんでるのさ。ジェット(カウボーイビバップ よせあつめブルース)より引用
解説
ジェット自身の生き方と、コンテンツや社会に対する皮肉の両方が読み取れる「ウォーク・ジス・ウェイ」。
全体的によせあつめブルースはメディア規制に対する批判・皮肉を含む内容となっていますが、ジェットのパートはその意図が比較的わかりやすいなぁと思います。
「作者が彼の読者に払う最大の敬意は、彼等が期待するようなものは一切書かないと言う事」というのはまさに過剰な規制やノイジーマイノリティーに対する批判のように思えます。
消費者の望み合わせれば合わせるほど、革新性や意外性はなくなりコンテンツは先細りになっていく傾向があります。
これはビジネス界隈でもしばしば「イノベーションのジレンマ」という言葉で言われることのようです。
「人間の働きにせよ自然の働きにせよ、我々が特に注目しなければならないのは、本来その意図である。」とジェットが引用するのように、
一見すると過激だったり不適切な表現・作品においても、その背景にあるメッセージを読み取る姿勢が作品を楽しむ上では必要なのだと思います。
補足記事