カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
Part19 ワイルド・スタイル
今から一世紀以上も前、チャーリー・パーカーっていうサックス吹きがいた。
奴は音楽を譜通りに演奏しなかった最初の男らしい。
つまり、型通りに演奏するだけじゃ飽き足らず、アドリブをかまし、自分自身のスタイルで吹いたってことだ。
奴がはじめたその音楽は、やがて『ビバップ』と呼ばれたそうだ。
そう、それがこの船の名前の由来ってわけだ。ジェット(カウボーイビバップ よせあつめブルース)より引用
解説
ビバップ号の由来だけでなく、作品名の由来にも関わりそうなパートである「ワイルド・スタイル」。
ジェットの深みのある声とBGMで、なんとも雰囲気があるパートです。
タイトルについて明言はされていないものの、「ビバップ」という言葉は明らかに作風を意識した言葉のチョイスと思われます。
「賞金稼ぎ達の筋書きのない日々」を描く本作は、まさにカウボーイ達のビバップだなぁと思います。
よく言えば自由に、悪く言えばその日暮らしをするビバップ号のクルー達。
第1話「アステロイド・ブルース」にて、(都市開発が進み比較的豊かな惑星である)火星での暮らしを羨やむカテリーナに対して、火星生まれのスパイクは「(いい暮らしができているのは)金のある奴だけさ」と言います。
惑星間の移動ができ人類の生活圏が広がったカウボーイビバップの世界。
自由な生活ができる一方で、急速な発展は人々の生活に格差を生みます。
生まれた格差はごみごみとした街並みを作り、それが飾らず居心地がいいと感じる人もいる一方で、犯罪は増え治安は悪くなっています。
ビバップ号のクルー達は最終回にてそこまでハッピーエンドな結末になったわけでもなく、
自由でアドリブのある日常にはある種の責任が伴うことも表現しているように思えます。
補足記事