カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
実写のスパイクの年齢
個人的に、カウボーイビバップの実写化においてスパイクの年齢設定に違和感を感じ、それが作品全体にのめりこめない要因になったと思います。
原作のアニメでは20代後半として描かれるスパイクを、実写で演じるのはアラフィフのジョン・チョー氏。
この年齢差について監督にはしっかり意図というか思いがあり、また演じるジョン・チョー氏もかなりの努力があったようなのでそこは好感が持てます。
しかしファンを納得させるにはいかんせんこの年齢差は難易度が高かったように思えます。
解説
若くなりがちなアニメの年齢設定
アニメにおいて登場人物の年齢設定が思ったより若いことはよくあることだと思います。
それはおそらく子供が見ることを想定しているからであり、大人になって見返すとアニメの登場人物はみんな年齢のわりに落ち着いているなぁと思います。
スパイクにしても27歳という年齢は子供が見れば立派な大人ですが、年齢を重ねた大人から見ればハードボイルドなことを言うにはまだまだ「若造」なイメージを持つかもしれません。
そのため実写化に伴いスパイクの年齢をもう少し大人にしたいという流れはそうだなと思います。
しかしながら、カウボーイビバップの原作のストーリーを汲むと、スパイクの年齢設定はやはり27歳あるいはアラサーが適当ではないかと思ってしまいます。
スパイクがアラサーでいい理由
アニメにおいてスパイクは、端的に言うと過去の恋愛を引きずっている人物です。
組織とのいざこざの中でジュリアとの駆け落ちに失敗し、それを今でも引きずっています。
そして終盤、スパイクはジュリアと再会します。ジュリアは改めてスパイクとの駆け落ちを考え、スパイクもジュリアを連れて行動します。
このあたりが描かれる「ザ・リアル・フォークブルース」はカウボーイビバップの完結になくてはならない展開です。
こういったストーリー性の中、スパイクの年齢設定が高すぎると「いつまで過去の恋愛を引きずっているんだ」と冷めた印象を視聴者に与えてしまうのではと思います。
さらにジュリアとの再会に関しても、まだアラサーなら「二人で生活をやり直せる感」もありますが、これが40,50代となるとむしろ第2の人生的な雰囲気が出てきてしまうのではと思います。
さすがに10代でこのハードボイルドな喪失感を演出するには無理があると思いますので、過去と今を魅せるスパイクはやはり20代~30代くらいが適当ではと考えます。
補足記事