「上司が使えずイライラする」
「なんであんな人が上司なんだろう」
仕事をしていて目上の人に不満を感じる人は多いでしょう。
目下の者からすれば、上司は有能であって当然。
自分より優れていると思える人のはず。
しかし現実はそうではないことが多いようです。
なぜそのようなことが起こるのでしょう?
ピーターの法則というものがあります。
平たく言うと、
ピーターの法則とは「会社というものはそのシステム上、無能な上司をどうしても作りだしてしまう」という法則です。
ではなぜ会社は無能な上司を作ってしまうのでしょう?
例えば5人の平社員がいたとします。
この中で有能な社員が1人いたとします。
有能なその人は評価され、出世します。
係長になりました。
この人も含め、この部署には係長が5人います。
このうち、最も有能だった1人は今度は課長になります。
有能な係長→課長になる
無能な係長→そのまま
この人も含め、課長は3人います。
このうち、最も有能だった1人は今度は部長になります。
有能な課長→部長になる
無能な課長→そのまま
もうおわかりですね?
有能と評価される限り人はどんどん出世し、無能と評価されるポジションで固定されるのです。
こうして会社は長く経営されればされるほど無能な人がそれぞれのポジションで溜まっていくのです。
こう考えると、上司が無能であるというのは会社の仕組み上しごく当然とも言えます。
ではどうやったらピーターの法則を回避できるでしょう?
ピーターの法則の本質は、
そのポジションで有能であった人が別のポジションで有能とは限らないということです。
営業が得意で有能と評価された人が、必ずしも管理職が上手いかというとそうではありません。
人にはそれぞれ得意な能力とそうでない能力があり、一つの能力が優れているから別の能力も優れているというわけではないのです。
ピーターの法則を回避する方法は大きく2つです。
1つ目は、社員の有能さは昇進という以外の形で還元する。
2つ目は、そのポジションに必要な能力を明確にし、その能力をつけた人をそこに置く。
「昇進という以外の形で還元する」とは例えば昇給などがあります。
「そのポジションに必要な能力を明確に」とは昇進試験や研修プログラムの受講などがあります。
ピーターの法則を回避する方法はいずれも会社経営レベルの話です。
では「上司が無能だ」と困っている目下の人達にできることはなんでしょう?
まずは安易に有能な人を持ちあげないということが考えられます。
今あなたが「この人に上司になってほしい」と思っている人も、
実際は上司になると力を発揮できないおそれがあります。
そして、人の振り見て我が振り直せ。
もしもあなたが出世したら、あなたは新しいポジションの仕事が得意かどうかを考えないといけません。
部下のマネジメントや人事、経費の管理など出世前とは違うスキルが必要になります。
もしも新しいポジションが合わないなら、勇気を持って元のポジションに戻ることも選択肢の一つです。
これは人によって考え方が分かれますが、
出生しないが自分に合った仕事をして周りから高評価を得る人生と
出世するが不得意な仕事をして周りから低評価を得る人生
どちらを選ぶかということです。
「出世して周りから高評価を得たい」なら、
あなたは出世するたびに一からそのポジションの勉強を新入社員の気持ちで勉強しないといけないでしょう。
そしてあなたが有能であり続けるなら、
あなたは出世し続けていつかあなたは会社を辞めることになるでしょう。