赤城郁実「私はそれを自分らしさだと思えたから」|青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第13話

 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」をはじめ、青春ブタ野郎シリーズに関するページです。

 適宜ネタバレを含みますのでご了承ください。




郁実と咲太の会話

 私はそれを自分らしさだと思えたから。
 あの頃は、生きづらさなんて感じたことはなかった。

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第13話 サンタクロースの夢を見ない(ABEMA)より引用

 北海道の空港にて、寧々のことをどう思うか郁実に聞く咲太。

 以前も咲太は寧々にとっての麻衣の存在についてのどかに聞いていました。

 人の考えや気持ちをよく聞いて、その人に寄り添って考えようとする姿勢が咲太には度々見られ、それは咲太が「優しい人間」になろうとする表れなのだろうなと思います。



解説

北海道に来た咲太と郁実

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第13話 サンタクロースの夢を見ない(ABEMA)より引用

 寧々が自分のことや拓海のことを忘れていることが判明した2月3日。
 咲太はその日のうちに北海道へ向かい、拓海にトロフィーを見せて寧々のことを思い出させます。

 2月4日の麻衣の1日警察署長のイベントに間に合うよう、帰りの飛行機を手配する郁実。

 新千歳空港がモデルと思しき、宿泊施設が併設された空港で咲太達は1泊します。


自分らしさについて話す郁実

郁実「よくあることなんだと思った。
 梓川君にもあったでしょ?
 自分が見つからなかったり、自分を見失ったりしたこと。

 私は今でも覚えている。
 幼稚園に通っていた頃に、友達のお母さんから、『郁実ちゃんはいい子だね』って言われたことを。

 私はそれが嬉しくて、また褒めてもらいたくて、いい子でいようとしてた。
 おかげで中学に上がった頃には、みんなから『真面目過ぎる』って笑われたけど」

咲太「そうだったな」

郁実「梓川君は覚えてないでしょ」

咲太「覚えてるよ。
 赤城は誰よりもきれいに黒板を消してたろ」

郁実「私はそれを自分らしさだと思えたから。
 あの頃は、生きづらさなんて感じたことはなかった」

咲太「その始まりが、たった一言の『いい子だね』か……
 岩見沢寧々にとっては、霧島透子みたいって言われたことが、見失っていた自分を取り戻すきっかけになったのかもな」

郁実「梓川君はそういう経験ない?」

咲太「ある人に、『優しくなれる』って言われてその気になったことはあったな」

郁実「今もそれを信じてるんだね」

咲太「そう考えると、ほんと赤城の言った通りだな」

郁実「ん?」

咲太「どこにでもよくある話」

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第13話 サンタクロースの夢を見ない(ABEMA)より引用

 咲太の回想シーンで黒板を消す郁実が度々描写されていましたが、それの伏線回収も含む2人の会話。

 「真面目過ぎる」と笑われたそうですが、それがコンプレックスとならず「自分らしさ」と思えた点は幸い。

 咲太や郁実は「よくあること」が結果として良い方向につながったわけですが、寧々の場合は「霧島透子に似ている」ことが間違った自己実現につながってしまったと言えます。



本編の解説

http://likiroku.com/aobuta-santa-arasuji-13/



参考資料

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