「GRIDMAN UNIVERSE」シリーズのネタバレを含みますのでご了承ください。
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GRIDMAN UNIVERSEのビー玉というアイテム
アニメ「SSSS.GRIDMAN」や映画「グリッドマンユニバース」で度々登場するビー玉。
物自体は何の変哲もないただのビー玉ですが、位置づけとしては物語の象徴的なアイテムとなっています。
ビー玉は裕太達の「絆」や「正義感」を象徴すると同時に、「手探りの状況から解決の糸口を探すキーアイテム」としての役割を担っていると考えられます。
また、このビー玉は怪獣の核であるいびつな真珠、「バロックパール」の対比になっていることがわかります。
解説
「絆」や「正義感」の象徴
アニメ「SSSS.GRIDMAN」第2話にて登場したビー玉。
裕太達がラムネを飲んでいた際、キャリバーが瓶を切ることで中から取り出します。
その後は(グリッドマンが乗り移っている)裕太が所持し、友達との絆や自身の正義感を振り返る際の象徴のような役割を担います。
一番わかりやすいのが第7話でしょう。
アカネの誘惑に対し、ビー玉を一旦見つめた後に内海達を選んだ裕太。
ビー玉が裕太にとって「友達や世界を守る」や「自分の正しいと思えることをする」といった信念を支えるアイテムとなっていることがわかります。
手探りの状況から解決の糸口を探すキーアイテム
物語全体を通して見ると、ビー玉は裕太達にとって「孤独な状況で自分の信念を貫く」ためのアイテムとして描かれていることも読み取れます。
ビー玉は先程述べたように第2話でグリッドマンが乗り移った裕太が所持します。
そして最終話、グリッドマンが帰還する際に内海に託されます。
その後、映画「グリッドマンユニバース」にて内海からグリッドマンが乗り移っていない本当の裕太にビー玉が渡されます。
ビー玉はいずれのシチュエーションでも記憶が不確かな登場人物がそれでも自分の信念を強く持つための支えとなっていることがわかります。
グリッドマンが乗り移った裕太は当然記憶がないわけですから、内海達と飲んだラムネのビー玉は数少ない「友達との絆」を感じるアイテムでした。
これによってアカネの誘惑で自分を見つめることができたと言えます。
さらに、グリッドマンが帰還した後、グリッドマンや新条アカネのことを記憶しているのは内海と六花だけになってしまいます。
グリッドマンやアカネの記憶を保持しながら、その記憶がない本当の裕太を支える内海。
特にグリッドマンが乗り移った裕太と接する時間は六花よりも内海の方が長かったでしょうから、記憶を共有できないことはなかなか孤独な状況と言えるでしょう。
内海にとってビー玉はグリッドマンや当時の裕太との日々が「確かにあったんだ」思えるアイテムになっていたと言えます。
そして映画で裕太にビー玉を託す内海。
グリッドマンと共に戦った記憶がない本当の裕太にとって、ビー玉はその記憶を保持する友達「内海」から引き継がれた思いとも言えます。
実際、映画で裕太は度々ビー玉を見つめ、自分のすべき行動を模索する際のアイテムとなっています。
このように、登場人物達の清らかな気持ちを象徴すると共に、限られた記憶の中で自分の行動の手掛かりを得る際に活躍したと言えるビー玉。
そしてこのビー玉と対比するように、「SSSS.GRIDMAN」および「SSSS.DYNAZENON」では怪獣の核として「バロックパール」が描かれます。
バロックパールとビー玉の対比
参考資料