アニメ「鋼の錬金術師」について一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
アルの1期と2期の違い
アルに関してはその性格が1期と2期の最も大きな違いであると考えられます。
設定や結末など、1期と2期で多くの相違点があるアルですが、これらは兄であるエドへの精神的な依存度の違いがきっかけとなっていることも少なくありません。
アニメオリジナル展開の1期では、同じ「弟」であり優秀な兄を持つスカーと共感し、スカーと行動する展開が象徴的です。
あくまでエドという兄を持つ「弟」としての役回りが多く、兄への自己犠牲的な言動が目立ちます。
一方で原作準拠の2期では、兄想いな側面は変わらないものの、より自立し独立した言動が目立ちます。
実際物語の終盤では、エドの無事を信じた上で自ら考え別行動をとります。
解説
設定の違い
1期と2期では手合わせ錬成をできるタイミングが異なります。
1期では手合わせ錬成は終盤わずかに登場するのみで、おおむね錬成陣を書いての錬成になります。
加えて自身が賢者の石になったことをきっかけに(賢者の石の活性化を回避するため)錬金術をほぼ使わなくなります。
このように1期ではアルの錬金術が活躍する機会があまりありません。
一方2期では真理の扉の記憶を取り戻したあとは手合わせ錬成を多用しており、エドと同様に手合わせ錬成による戦闘を繰り広げます。
本編での活躍や出番の違い
1期では「兄を想う弟」としてのアルの描写が目立ちます。
1期の続編であり物語の完結を担う映画「シャンバラを征く者」ではそれが顕著です。
エドと離れ離れになってからは兄の格好を真似たり、最終的に兄を追って自身も異世界に行くなど、エドに対する思いがアルの行動原理となっています。
一方で2期では非常に自立した人格がうかがえます。
これは行動面だけでなく思考や言葉にも表れています。
キメラの軍人であるザンパノやジェルソを説得するシーンや、ラストやキンブリーとの戦闘。
2期のアルのほうが自分の経験や「鎧の身体」という境遇からの、アル自身の自立した名言がうかがえます。
結末の違い
1期も2期も、最終的にアルは自身の身体を取り戻すに至ります。
またエドのために自分が一旦は犠牲になり、その後にエドがアルを取り戻すという展開も同様です。
ただし1期ではアルを取り戻す代価としてエドは再び手足を失い、加えて異世界に飛ばされてしまいます。
また1期ではアルにエドと旅をしていた頃の記憶がないなど、身体を失う前の状態の戻ったようなニュアンスがあります。
一方で2期ではエドが自身の真理の扉を代価にすることでアルを取り戻します。
これによりエドは錬金術は使えなくなるものの、エドとアルは離れ離れにならずに済みます。
真理の扉にあったアルの身体は衰弱していたものの、鎧の頃の記憶もあり、年月分の成長もしています。
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索