アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
【目次】 [close]
バッカニアの死
ブリッグズ兵「大尉には、セントラルで今まで以上に活躍していただかないと!」
バッカニア「セントラルのすすけた空は肌に合わん。
さらばだ、同志。
先に、いってるぞ。
ブリッグズの峰より、少し高いところへ」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode58」(Abema TV)より引用
第57話のブラッドレイとの戦闘後、第58話にてバッカニアは命を落とします。
基本的にはハッピーエンドを迎える鋼の錬金術師のアニメ2期ですが、それでも惜しまれる登場人物の死があり、バッカニアはそのうちの1人だと思います。
シーンの解説
ブラッドレイに果敢に挑むバッカニア
おいおい、情けない面でカッコつけてんじゃねぇ。
男の意地なら、こっちも負けてられねえんだよ。
俺はまだ戦えるぞ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode56」(Abema TV)より引用
重傷を負いながらも再度立ち上がり、果敢に立ち向かうバッカニア。
オートメイルを破壊され、腹部を深く刺されてしまいます。
ここで諦めず立ち向かったことが結果としてバッカニアの命を落とすことにつながるため、後から見返すと切ないシーンでもあります。
ブラッドレイに一矢報いるバッカニアとフー
たとええ神のごとき目を持っていようとも、見えないところからの攻撃は、防ぎようがあるまい!!
爺さん、地獄への道行き、付き合ってやるぜ!!
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode57」(Abema TV)より引用
ブラッドレイの死角からフーごとブラッドレイを刺すバッカニア。
命を懸けたフーの威厳を守ったという点でバッカニアの男気を感じますが、このシーンのさらに深いところは、バッカニアも死の覚悟を持ってフーをアシストした点だと思います。
体から剣を抜けば失血死することがわかっていながら、バッカニアは剣を抜きブラッドレイに攻撃します。
リンへのバッカニアの言葉
頼む、守ってくれ。
お前の力なら、やれるだろう。
いや、お前にしか、できないから、頼む。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode58」(Abema TV)より引用
事実だけ見るとフーを剣で突き刺したバッカニアですが、フーは本望でありリンもそのことを理解している様子。
フーの信念を汲み取ってくれたバッカニアに対してリンは感謝を述べます。
これに対し、バッカニアは死ぬ最後まで任務の達成を考えます。
誇り高い軍人であるバッカニア。
バッカニアの言葉により、フーの死で弱気になっていたリンは再び強い覚悟を持ちます。
オリヴィエの名言
ブリッグズ兵「バッカニア大尉は、笑って逝かれたそうです」
オリヴィエ「そうか。
奴が笑って逝ったのなら、我々が泣くわけにはいかん。
進もう!」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode58」(Abema TV)より引用
無線によりバッカニアの死を知るオリヴィエ。
ここも短いシーンですが情報量が多いシーンだと思います。
まずオリヴィエの力強い名言。
無駄な言葉をはさまないオリヴィエとバッカニアの以心伝心の信頼関係がうかがえます。
この以心伝心の信頼関係は、後のブラッドレイと妻の関係にも通じる部分があるかと思います。
以前、ヒューズとウィンリィが「言葉ではなく行動で示す」ことの美徳と「それでも言葉にしないとわからないこともある」という考えを述べるシーンがあります。
鋼の錬金術師は「言わなくてもわかる」と「言わないとわからない」という2つの考えをどちらも否定せずどちらの魅力も描いている作品だと思います。
そしてこのオリヴィエのシーンは前者のかっこよさを表しているシーンだと言えます。
さらに、オリヴィエがバッカニアの死を知る直前は、イズミと「大切な人が死んだら?」という話をしたばかりでした。
このときオリヴィエは「死んだ者への未練など無意味」と力強く返答します。
これに対し、自分の子供を失ったイズミとシグ(夫)は、「実際に死を目の当たりにしたときもそんなことが言えるのか」と思わないまでも、それに近い感情はわずかながらあったかもしれません。
バッカニアの死を聞いてもなお強いオリヴィエを見て、シグは少し驚いた表情をしています。
おそらく今回の件でシグは「この人(オリヴィエ)は本当に人の死を乗り越える強い精神を持っているんだな」とより信頼したのではないでしょうか。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索