カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
Part10 シュガー・マウンテン
赤ん坊に甘いものばかり食わせると、そればかり欲しがって、肝心の栄養のある食事を受け付けなくなるそうだ。
やはり、砂糖菓子のようなものこそが有毒だ。
別に食いモンのだけの話をしているんじゃない。
世の中砂糖菓子でいっぱいだ。
そんなものばかり見てたら、脳が腐ってヨーグルトになっちまうぜ。スパイク(カウボーイビバップ よせあつめブルース)より引用
解説
過剰なポリティカルコネクトネスに対する批判が比較的わかりやすい込められている「シュガー・マウンテン」。
ポリティカルコネクトネスとは中立的な表現を使うことである特定の層が不快な思いをしないように配慮することです。
これが近年は過剰になり、テレビやメディアが無難なことしかできないことが問題視されています。
実際カウボーイビバップもテレビ放送時は規制により一部映像に差し替えなどが起こりました。
スパイクの言う「砂糖菓子」とはおそらく「過度な規制で表現のおもしろみがなくなったコンテンツ」のことを暗に指していると思われます。
そしてそういったメッセージ性のない毒にも薬にもならないコンテンツこそ業界を衰退させる「有毒」なのではないかと指摘しているのかもしれません。
また「シュガー・マウンテン」の皮肉を暗喩しているように見せかけて露骨に表現していると思うのですが、
前半こそ「食べ物」や「栄養」の例えで話をしているのに、終盤では「そんなものばかり“見てたら”、“脳”が腐ってヨーグルトになっちまうぜ。」と明らかに映像コンテンツに対する言い方になっているのがおもしろいです。
補足記事