「GRIDMAN UNIVERSE」シリーズのネタバレを含みますのでご了承ください。
怪獣は心を持たない存在
映画「グリッドマンユニバース」の黒幕の怪獣であったマッドオリジン。
言葉を話し悪役のような言動でグリッドマン達とやりとりをします。
しかしマッドオリジンの言動はあくまで人間の負の感情が集まり映し出されたもので、「意思があるように見える」だけであることがアレクシス・ケリヴにより言及されます。
「GRIDMAN UNIVERSE」シリーズにおいて、怪獣はあくまで心を持たない存在であることが統一されています。
解説
怪獣の定義
アンチ「なぜ、怪獣である俺に命を与えた?」
アカネ「君はもう怪獣じゃないよ」
アンチ「なぜだ?」
アカネ「怪獣は人の気持ちを読んだりしないから。
君は私を探してたでしょう。
怪獣はね、人に都合を合わせたりしないよ。
いるだけで人の日常を奪ってくれる。それが怪獣。
私は人間みたいな怪獣は好きじゃない。
ほらその目。人間みたいな目してる」アンチ「お前の目は」
アカネ「見ないでよ。どこでも、好きなとこ行きなよ。
やっぱり君は失敗作だよ」「SSSS.GRIDMAN 第10話」(Abema TV)より引用
「GRIDMAN UNIVERSE」シリーズにおいて、「怪獣」というものの定義はアカネの思想が色濃く反映されていると考えられます。
グリッドマンユニバースでアカネが変身した姿、「新条アカネ(ニューオーダー)」の外見が怪獣優生思想の服装に酷似している点も、そもそも怪獣に関する思想はアカネが元になっていることを示唆していると言えるでしょう。
怪獣は心や意思を持った生き物ではなく、あくまで人の負の感情が具現化し活動する現象のようなものであると考えられます。
これはメタ的には「主人公が正義のためとはいえ他者の命を奪っていいのか」という葛藤をしなくていい、要するに「都合の良い悪役」を作るのに貢献しています。
心を持った存在
言葉を発さないノワールドグマ・ドムギラン・ディモルガンだけでなく、マッドオリジンもあくまで意思があるように見えた「怪獣」であったグリッドマンユニバース。
これらを踏まえると、ちせにより心の存在を言及されたゴルドバーンは例外的な存在と言えるでしょう。
アンチは心を持ったことでキャリバーから「怪獣」ではなく「生き物」ととらえられるようになります。
怪獣は意思を持たない存在ですが、アンチやゴルドバーンのように始まりは怪獣であってもそこから「生き物」へと発展するパターンはあり得るということでしょう。
「グリッドマンユニバース」伏線・小ネタ一覧
参考資料