「鋼の錬金術師」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
ハガレンの「ロゼ事件」とは?
「鋼の錬金術師」における「ロゼ事件」とは、アニメ1期で描かれたロゼの境遇の俗称です。
またメタ的には、原作とは異なるロゼの扱いに対する視聴者の批判の意も「ロゼ事件」という単語には含まれるでしょう。
アニメオリジナル展開である1期では、ロゼは人種差別を背景にした性的暴行により父親が誰かもわからない子を産むことになります。
解説
原作との違い
「鋼の錬金術師」は、アニメオリジナル展開で完結する1期と、原作である漫画に準拠した2期があります。
漫画連載と併行してアニメ1期が制作され、このため1期はオリジナルの結末となります。
一方2期は原作に準拠して制作されており、このため1期と2期はまったく別物のコンテンツとなっています。
原作にてロゼはリオールの街の住人というそれ以上でもそれ以下でもない人物です。
恋人を失った悲しみをコーネロに利用され、レト教の信者となります。
エド達の活躍により前を向くことができるようになったロゼ。
一方で、1期ではリオールの人々はイシュヴァールと人種的に近いという設定が加えられます。
これにより原作では白色に近い肌色であったロゼ(上画像)が、1期では褐色の肌となります。
コーネロの一件で軍が介入したリオールの街。
ここまでは1期・2期ともに同じですが、1期では混乱の中、人種差別の背景もありロゼは性的暴行を受けることとなります。
この出来事は具体的に描かれていないものの、1期でロゼはエドと再会した際に赤子を抱いており、またトラウマで声が出なくなっています。
ロゼ事件の批判・解釈
原作を読んだ上で考えればロゼの1期の境遇はあまりにも悲惨で、原作重視の読者・視聴者にしてみれば1期のロゼは改悪と考える人も少なくありません。
個人的にもロゼは可哀想だなと思います。
一方で、ダークファンタジーとしての完成度が高い1期において、ロゼの立ち位置は作品の完成度に貢献しているとも思います。
つまり(ロゼは可哀想ですが)1つの作品としてはよくできた展開だなと思います。
また皮肉にも1期のロゼの方が2期よりも出番があり、実質的に(ある意味ではウィンリィより)ヒロイン的な立場を取っています。
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索