アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
【目次】 [close]
マスタングVSエンヴィー
感情的になったマスタングが印象的なエンヴィー戦。
物語としては第53~54話に相当します。
復讐を思いとどまるマスタングのシーンは、非常に重要で示唆のある味わい深いシーンです。
一方で、視聴者としてはエンヴィーに派手にとどめを刺さなかった無念さも正直あって、
単純な爽快感に関してはラストVSマスタングの戦闘のほうがあったかなと思います。
シーンの解説
激情するマスタング
エンヴィーがヒューズの妻であるグレイシアに変身して見せたことで、事の真相を確信したマスタング。
目や舌をピンポイントで狙うなど、あえて相手をいたぶるような攻撃をしていることからマスタングの怒りがわかります。
エンヴィーを圧倒するマスタング
攻撃の性質上、素早い相手との近距離戦闘は不利に思えるマスタングですが、演出の都合もあってエンヴィーを圧倒。
エンヴィーくらいのスピードであればピンポイントの焔で充分対応できる様子。
リザの伏線
リザ「二人っきりのとき、大佐は私のことをリザって呼ぶの」
エンヴィー「あんたらそういう仲かよ!」
リザ「嘘よ」
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode53」(Abema TV)より引用
ハガレンのトリックの中でもかなり好きなシーンの1つです。
物語の流れからエンヴィーが変身したのはリザと思わせておいて、実はマスタングのほうという視聴者を上手くだます演出。
加えて、リザがエンヴィーを見抜くために、周囲に隠して恋仲であることを利用します。
非常に賢いやりとりだなぁと思った矢先に、それが嘘ってw
「自分達が恋人であっても不自然ではない」とリザ自身も客観視できてるのが微笑ましいシーンでもあります。
本体が露になるエンヴィー
そして度重なる攻撃を受け、エンヴィーの賢者の石が底をつきます。
マスタングを止める一同
復讐を止めるため、銃口を向けるリザ。
復讐に生きると言うのなら止めはせん。
俺に他人の復讐を止める資格はない。
ただ、憎しみに囚われた者が、人の上に立ちどんな世界を作るのか、見物だなと思うだけだ。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode54」(Abema TV)より引用
本人が前置きをするものの、冷静過ぎてやっぱりスカーが言うと「どの口が言ってんだ」感も。
スカーが言うからこそ重みのある言葉でもあるのでしょうが。
せめて「俺のようになっていはいけない」的なニュアンスのほうがよかった気がします。
リザ「今あなたがやろうとしていることは、国ためでも、仲間を助けるためでもない。
憎しみを晴らす、ただそれだけに蝕まれている。
あなたは、そちらに落ちてはいけない」マスタング「私を撃ち殺したあと、君はどうする?」
リザ「私一人のうのうと生きていく気はありません。
狂気をもたらす焔の錬金術を、この身体もろともにこの世から消し去ります」マスタング「それは困る。
君を、失うわけにはいかない。
私は、大馬鹿者だ」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode54」(Abema TV)より引用
そしてマスタングが改心する、相当の自制心が垣間見える名シーン。
復讐を思い留め道を踏み外さないのが自分のためでなく、他者(リザ)のためである点が非常に深いなぁと思います。
「自分のため」ではなく「誰かのため」のほうが、人は時として心を強く持てるものだなぁと思います。
また、再三エンヴィーを「馬鹿」と罵った上で、自身のことを「大馬鹿者」と内省するマスタングの言葉のチョイスも深い演出です。
エンヴィーの死
本編解説
その他の記事
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索