チ。-最終回の大人のラファウについて-|地球の運動について



大人のラファウ先生の正体

チ。 ―地球の運動について― 第24話 タウマゼインを(ABEMA)より引用

 「チ。-地球の運動について-」の最終章(アニメでは第24話~25話)に登場したアルベルトの家庭教師「ラファウ先生」。

 ラファウ先生は第1章(アニメ第1話~3話)に登場したラファウとは少なくとも別人と考えられます。
(ラファウが第1章で生き残ったと思しき描写はない点、時系列的に考えてラファウの容姿・年齢が矛盾する点などから)

 ラファウ先生の正体ははっきりと言及されないためただ1つの正解があるわけではありませんが、解釈・考察としては

 「パラレルワールドに登場する同名の人物」説と「ラファウがもし生きていたらというIF」説が考えられます。



解説

「パラレルワールドに登場する同名の人物」説

チ。 ―地球の運動について― 第1話『地動説』、とでも呼ぼうか(ABEMA)より引用

 そもそも「チ。」は第1~3章は「P王国」を舞台に、最終章はポーランドを舞台に描かれます。
 このため第1~3章までと最終章は世界線が異なる可能性が高いです。

 このため、最終章に登場するラファウ先生も名前とキャラクターデザインが同じだけのまったく異なる登場人物であるとも考えられます。

 要するに最終回(最終章)のラファウはスターシステム的な登場であったと解釈ができます。

※スターシステムとは俳優を前提に映画や舞台を作ることです。
 転じて、アニメなどで同じキャラクターデザインの人物を設定を変えて再登場させる手法を指す言葉として用いられます。


「ラファウがもし生きていたらというIF」説

チ。 ―地球の運動について― 第25話『?』(ABEMA)より引用

 もう1つの解釈として考えられるのが、「ラファウがもしもあのとき(何らかの方法で)生き延びていたら」とするいわゆるIF(イフ)説です。

 これはこれで本作について非常に考えさせられるものがあるなと思います。

 地動説に心酔した神童であるラファウ。
 もしも彼が生き延びていたら、つまり異端排除の騒動に勝利していたら、知的好奇心を突き詰めることへの自己肯定はさらに強まったことでしょう。

 殺人まで犯すサイコパスな人格になったかは議論が分かれるとことでしょうが、少なくとも「行き過ぎた知的好奇心がどうなるのか」という1つのネガティブなケースの提示ではないでしょうか。

 「チ。」は最終的にアルベルトを主人公として「疑念と信念」など2つの矛盾する考えを同時に抱えた状態で進むことを結論付けます。

 この考えに至る動線として、「行き過ぎた知的好奇心を持つラファウ」は重要な役割であったと言えるのではないでしょうか。



チ。-最終回の解説について-

「チ。」最終回の考察  「チ。-地球の運動について-」は第1~3章までは架空の王国「P王国」を舞台に、最終章はポーラン...



参考資料

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