P王国とポーランド
チ。 ―地球の運動について― 第24話 タウマゼインを(ABEMA)より引用
「チ。-地球の運動について-」は第1章から第3章までが「P王国」、最終章のみ「ポーランド」が舞台となります。
つまり第1~3章は時代背景が15世紀である架空の国を描き、最終章のみ史実と矛盾のない1468年のポーランドを舞台とします。
これは第1~3章と最終章が異なる世界線であることを示していると考えられます。
解説
P王国
チ。 ―地球の運動について― 第1話『地動説』、とでも呼ぼうか(ABEMA)より引用
チ。 ―地球の運動について― 第9話 きっとそれが、何かを知るということだ(ABEMA)より引用
チ。 ―地球の運動について― 第19話 迷いの中に倫理がある(ABEMA)より引用
頭文字から明らかにポーランドがモデルと思しき「P王国」。
ラファウ・オクジー・ドゥラカが主人公となる第1~3章はこのP王国が舞台となります。
時代は15世紀。つまり1400年代となります。
第1~3章はラファウの死から10年、オクジーらの死(およびヨレンタの逃亡)から25年が経っています。
このため第1章から第3章は、15世紀のP王国を舞台におよそ35年ほどの歴史を描きます。
地動説を異端思想とした激しい弾圧と拷問など、史実から飛躍があると考えられる第1~3章。ファンタジー色の強いフィクションとも言えるでしょう。
ポーランド
チ。 ―地球の運動について― 第25話『?』(ABEMA)より引用
これに対して最終章(アニメでは第23話終盤から最終回の第25話)は1468年のポーランドを舞台とします。
はっきりと実在する国と人物の固有名詞を扱い、第1~3章と異なり「史実に合わせた」作りがうかがえます。
これにより、第1~3章と最終章はストーリーが続いているように見えて、パラレルワールドのようにも思える形となっています。
完全なフィクションにも完全な史実に沿った物語にも見える、解釈の余地を残す結末が「チ。」の深い演出となっています。
まさに最終章、司祭がアルベルトに言ったような「矛盾は両立する」結末と言えるでしょう。
チ。-最終回の解説について-