赤城・咲太「いつか優しさに辿り着きたい」|青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第5話

 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」をはじめ、青春ブタ野郎シリーズに関するページです。

 適宜ネタバレを含みますのでご了承ください。




赤城と咲太の卒業文集の会話

 私は覚えてる。
 自分が書いたことも、梓川君のも。

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第5話 不協和音(ABEMA)より引用

 第5話終盤、赤城と咲太の会話は思春期の葛藤を描く本作らしい名シーンだと思います。

 咲太にとって「優しさ」とはなんなのかを見つめることは、翔子から影響を受け自分を立ち直らせた重要な価値観です。
 また、登場人物達の思春期の葛藤や周囲の「空気」を描く本作にとって、「優しさ」は作品自体の大きなテーマの1つとも言えると思います。

 だからこそ深いと思える第5話の2人の会話。



解説

ナースのコスプレでの学園祭

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第5話 不協和音(ABEMA)より引用

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第5話 不協和音(ABEMA)より引用

 千春の提案で(赤城と沙希は反対したものの)ナースのコスプレで出店した看護学科。

 腕を怪我している赤城は看護学科の店もボランティア関連のフリーマーケットも仕事を振られず手持無沙汰となります。


卒業文集の話

赤城「梓川君はさ、中学の卒業文集に、自分がなんて書いたか覚えてる?」

咲太「覚えてない。卒業アルバムは引っ越しのときに捨てたし」

赤城「私は覚えてる。
 自分が書いたことも、梓川君のも」

咲太「僕のはぜひ忘れてほしいな。どうせろくなこと書いてないだろうし」

赤城「そんなことない」

咲太「そうかな?」

赤城「だって、『いつか、優しさに辿り着きたい』って書いてあったから。
 どう? 梓川君は、もう辿り着いた?」

咲太「赤城はどうなんだ?
 中学の頃に思い描いた理想の自分にはなれそうか?
 正義の味方って、大人が夢見ることなのか?」

赤城「赤ずきんの女の子が怪我をすればよかった?」

咲太「赤城が怪我をしなければよかったとは思ってる」

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第5話 不協和音(ABEMA)より引用

 中学時代に思春期症候群を信じてもらえず、周囲から孤立した咲太。
 そんなクラスの雰囲気をどうすることもできなかった赤城。

 正義感の強い赤城ですから、きっと自分の無力さを感じたのだと思います。
 そして卒業文集には、咲太の「いつか、優しさに辿り着きたい」という言葉。この言葉は赤城にとって共感できる考えだったのだと思います。

 咲太は知らないところで、赤城の価値観に影響を与えていたと言えるでしょう。



本編の解説

http://likiroku.com/aobuta-santa-arasuji-5/



参考資料

テキストのコピーはできません。