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「新婚旅行ハリケーン」のレビュー
クレヨンしんちゃんの映画の27作目である
「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」。
今回は風間君達「カスカベ防衛隊」の活躍はなく、家族の絆を主に描いた作品でしたね。
クレヨンしんちゃんの映画はドタバタコメディをメインにした作品や友情をメインしたもの、家族愛をメインにしたものなど作品によって雰囲気が異なりますね。
「新婚旅行ハリケーン」は家族の絆、とりわけ夫婦愛を描いた作品です。
歴代最高傑作との呼び声が高い
「オトナ帝国の逆襲」にはおよばないですが、「新婚旅行ハリケーン」も大人も感動できる作品だと思います。
「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」のあらすじ(ネタバレ)
以下、ネタバレも含みますのでご了承ください。
写真撮影を条件に格安で新婚旅行ができるプランで海外に出かけた野原一家。
そこでは現地住民である仮面族が一族の繁栄のために捧げる花婿を探していた。
その花婿に選ばれ、さらわれてしまったひろし。
旅行先でのちょっとしか喧嘩の仲直りもできないまま、ひろしとみさえは離れ離れに。
たくさんのトレジャーハンターが仮面族の宝石を狙う中、みさえ・しんのすけ・ひまわり・シロもひろしを探しにトレジャーハンターの「ジュンコ」と共に仮面族を追う。
仮面族の秘境には宝石の糞をする巨大なコアラがおり、そのコアラが花嫁の正体。
コアラに差し出されようとするひろし。
しんのすけ達がひろしを救い出し、夫婦の絆を再確認した野原一家で一見落着。
「新婚旅行ハリケーン」の魅力
「恋人」と「家族」ですれ違う2人
前半はひろしとみさえのすれ違いが描かれます。
「新婚旅行」ということで「恋人」の雰囲気を楽しみたいと思いながら、「父ちゃん」「母ちゃん」という家族の面が水をさしてうまく雰囲気が作れない2人。
家族の絆を描いた作品はクレヨンしんちゃんの映画には多いですが、
「夫婦の愛」を前面に出している点が「新婚旅行ハリケーン」の特徴であると思います。
親を守る子供
ひろしを取り戻すため秘境に進んでいくみさえ。
道中、幼いしんのすけとひまわりをこれ以上連れて行くわけにはいかないと、引き返すように促します。
当然ながら嫌がるしんのすけ。
みさえは「ひまわりを守ってあげて」と子供を納得させるための常套句を使います。
このセリフでしんちゃんは納得するのかなと思ったのですが、
しんちゃんは「じゃあ母ちゃんは誰がお守りするの?」と返してみさえについていきます。
親は子供を守る存在ですが、一方で
親も自身が知らないところで子供に支えられている、守られているということを気づかせてくれる名シーンですね。
時代背景を考慮している作風
「クレヨンしんちゃん」は長寿番組の1つですが、
時代に合わせて柔軟にかつ作風を壊さないように緩やかに設定を変化させていっているのも特徴です。
今回の「新婚旅行ハリケーン」においても
スマホを活用したり、子供がいる状態で新婚旅行に行ったりと現代の時代背景を取り入れた作風となっています。
まとめ
夫婦の愛を前面に押し出した作品である「新婚旅行ハリケーン」。
親世代が懐かしいと思う挿入曲や、自分の家族やパートナーについて考えさせられる感動シーン。
一方で、子供も楽しめるドタバタ劇やギャグシーンも健在でまさに親子で観る映画ですね。
大人も感動する作品が多いクレしん映画ですが、
感動という点では「新婚旅行ハリケーン」は「オトナ帝国」ほどではないかなと。
また、感動する映画として評価の高い「アッパレ!戦国大合戦」同様に「新婚旅行ハリケーン」は「いかにも感動させようとしている」というあざとさもある気がします。
さらに、ラストの巨大コアラのやりとりがきちんと「薄汚れた綿あめ」が伏線にはなってはいるのですが、やや展開が雑だったかなと。
といった感じで、
「新婚旅行ハリケーン」はクレしん映画の中ではごく平均か、ほんとにわずかながら平均の上くらいのような印象です。