チ。-バデーニの顔の傷について-|地球の運動について

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バデーニの顔の傷

チ。 ―地球の運動について― 第8話 イカロスにならねば(ABEMA)より引用

 バデーニの顔の傷は、過去に親友と決闘した際についたものです。

 バデーニの研究・情報を盗んだ親友は逆上し決闘を申し込み、結果としてバデーニは自らの手で親友の命を奪います。

 何かと他人を寄せ付けない辛辣な態度を取るバデーニですが、その背景には親友に裏切られた辛い過去があります。



解説

親友と決闘をするバデーニ

チ。 ―地球の運動について― 第10話『知』(ABEMA)より引用

 出家前、私塾に通っていたバデーニはそこで共に学ぶ親友に恵まれます。

 しかしその人物はバデーニの研究成果を盗み、バデーニがそれを指摘すると逆上し決闘を申し込みます。

 結果として決闘に勝つバデーニですが、顔の2か所の傷を負い、また心にも親友に裏切られたという深い傷が残ります。


考えを改めるクラボフスキ

チ。 ―地球の運動について― 第10話『知』(ABEMA)より引用

 出家前の決闘と聖職者になることは矛盾しない点から、過去を包み隠さず話すバデーニ。

 村の住人に過去を話し、間接的にクラボフスキはバデーニの辛い過去を知ることとなります。

 知識のない者を見下すような態度で、内心バデーニに対し反発があったクラボフスキ。

 しかしバデーニの過去を知り、クラボフスキはなぜバデーニが他者と距離を取り知識を共有したがらないのかを理解します。

 また同時に、辛い過去があってもなお学問と向き合うバデーニ。
 クラボフスキはバデーニの行き過ぎた知的好奇心に苦言を呈しますが、いずれにせよバデーニには「神から与えられた能力を活かす」ことへの決意と強い信念がうかがえます。

 一見すると「頭はいいが狂った好奇心を持つ変人」に見えるバデーニですが、過去を踏まえるといかにしてバデーニの価値観が形成されたのか理解できる描き方をしている「チ。」。

 まさに「知」があると、他者の見え方も変わるなぁと思います。



参考資料

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