「薬屋のひとりごと」に関するページです。
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羅漢の相貌失認
羅漢(ラカン)は他者の顔から個人を特定できない相貌失認を患っています。
相貌失認は脳血管障害などにより後天的に見られる場合もありますが、羅漢の場合は先天的(つまり生まれつき)に呈しています。
解説
失顔症(相貌失認)とは?
俗に「失顔症(しつがんしょう)」とも言われますが、専門的には「相貌失認(そうぼうしつにん)」と言われます。
相貌失認とは、人の顔のパーツは見えますがそれらを統合し「顔」として認知することができない脳の障害です。
このため目は見えるのですが相手が誰なのか顔で判断することができません。
健常者にとってはやや想像しにくい概念ですが、例えば「ルビンの壺」のような絵を想像するとわかりやすいかもしれません。
人はその物自体が見えていても、それを全体としてどう認知するかで理解の仕方が異なります。
羅漢の相貌失認と特性
羅漢は人の顔を将棋の駒として認知します。
人の顔が別の何かに代替されるのは相貌失認固有の症状ではないため、「薬屋のひとりごと」という作品で付け足されたフィクションと言えるでしょう。
人の顔が認知できないためコミュニケーションが取りにくく、一族からも冷遇された羅漢。
障害によって辛い思いをしたであろうことは想像に難くありません。
そんな羅漢ですが不思議と鳳仙(フォンシェン)(猫猫の母)や猫猫の顔は認知できてます。
顔が認知できたから思いが強まるのか、思いが強いから顔を認知できたのか。
卵が先か鶏が先かの議論にはなりますが、いずれにせよ羅漢にとって鳳仙と猫猫はかけがえのない存在と言えるでしょう。
参考資料