小説および映画「かがみの孤城」に関するページです。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
ウレシノ(嬉野遥)が学校に行けない理由
裕福な家庭環境とお人好しな性格から、学校で「金づる」にされ不登校となったウレシノ。
孤城の中でもその天然な性格はイジられる一因となります。
解説
金銭関係のトラブル
フウカ「あの子、中学入ってすぐ仲良くなった子達に、奢ったりしてるうちに、どんどんエスカレートしていったみたいで……」
映画『かがみの孤城』より引用
ウレシノ「別にいじめに遭ってるとかそういうわけじゃないから。
久しぶりに学校言って、なんか気まずいから僕の方から声かけたんだ。
ごめんって。
(中略)
そしたら奢ってもえないならお前には用はないって。
さすがにキレて突飛ばしたら、やり返されて……」映画『かがみの孤城』より引用
友達関係を逸脱した金銭のやりとりでトラブルとなってしまったウレシノ。
過度の驕りが災いし、それによりクラスメイトと対等な関係を築けなくなってしまいます。
「奢ってもえないならお前には用はない」というストレートな言葉から、ほぼこれはいじめなのではと思う一方で、ウレシノの「別にいじめに遭ってるとかそういうわけじゃないから」という発言も一理あるかなとも思います。
要するにウレシノは積極的・攻撃的ないじめに遭っていたというよりは、クラスメイトから「相手にされていない」「対等に付き合ってもらえていなかった」のではないかなと思います。
これも広い意味ではいじめなのでしょうが、真田に悪意を持って介入されていたこころなどと比べると、また少し状況が違うのかなと思います。
ウレシノのコミュ力
ウレシノ「みんな僕のこと馬鹿にしてたでしょ?
いっつもそうだよ。
僕のこと見て、笑ってた」こころ「そんなことない」
(そんなこと、ある、かも……
ウレシノだからいいやって……)映画『かがみの孤城』より引用
基本的にウレシノはいい奴ですし、金づるにしたクラスメイトが悪いのですが、ウレシノ自身のコミュニケーション能力について考えさせられる面もあると思います。
恋愛対象がわかりやすくコロコロ変わったり、思春期の女子に母親の手作りクッキーを恥ずかしげもなく渡していたウレシノ。
要するにウレシノはいい奴ですがコミュニケーションの取り方にツッコミどころがあり、それが軽んじられてしまう一因になっていたと思います。
もちろんいじめはいけないことですしウレシノは悪くないですが、そういったコミュニケーションの取り方を変えることで、ウレシノの人間関係も変化があるのではないでしょうか。
登場人物達の不登校の理由