アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
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ハガレン第36話トリシャの名シーン
トリシャの名言が印象的な第36話にて、エドが幼い頃に見た険しい表情のホーエンハイムの伏線が回収されます。
この親と子の印象のすれ違いは、ハガレンにおいて巧みな演出の1つだと言えます。
シーンの解説
ホーエンハイムの孤独
この体になってから、たくさん死を見てきた。
だがそれも、大きな世界の流れの中の1つと思えば、悲しみは少しで済んだ。
美しいもの、不思議なものと出会うたび、この体を受け入れて生きていくのもいい。
ずっとそう思っていたんだ。
トリシャ、君と出会って子供ができるまではね。
俺は歳をとらないのに、俺の子供達はみるみる歳をとり、成長していく。
急に恐ろしくなったよ。
俺は本当に化け物なんだなって「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode36」(Abema TV)より引用
年齢を重ねる家族を見て、取り残されていく感覚を覚えるホーエンハイム。
家族を愛するがゆえに自身の孤独を感じます。
それに対し言葉を飲み込むトリシャ。
家族写真を撮るトリシャ
私だってね、いつか化け物みたいな皺くちゃのおばあちゃんになっちゃうわよ。
でもね、どんな姿になっても、みんなで一緒に笑って写真を撮りたいの。
だから、ずっと家族でいて。
自分から距離を置いて、遠い存在になったりしないで。
化け物だなんて、そんな言葉で自分を傷つけないで。
あなた、笑って。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode36」(Abema TV)より引用
ホーエンハイムに内緒で急きょ写真屋を呼んだトリシャ。
家族写真を撮影します。
そうすることでホーエンハイムに自分の気持ちがより届くのではと考えたのでしょう。
「自分から距離を置いて」「自分を傷つけないで」といったトリシャの寄り添う言葉が本当に温かいです。
家族写真
物語当初は他の写真に隠れていましたが、実は泣いている表情だったホーエンハイム。
トリシャの言葉が本当の意味で届いた証拠でしょう。
トリシャの「あなた、笑って」の言葉に対して泣きながら笑おうとしているホーエンハイムの表情がなんとも感動的です。
旅立つホーエンハイムの伏線
俺はトリシャと子供達と一緒に、一緒に、老いて死にたい。
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode36」(Abema TV)より引用
幼い頃のエドの記憶では、ホーエンハイムはこわばった表情の冷たい父親だったようです。
しかしホーエンハイムが旅立ちの際険しい表情だったのは、家族との別れに涙をこらえ、旅立つことへの強い決意を自分に課していたからでした。
ちなみにトリシャは「泣いたっていい」とホーエンハイムに言いますが、ホーエンハイムは最後まで涙をこらえ旅立ちます。
おそらく泣いてしまうと家族に未練が残り、旅立つ心が折れるためでしょう。
こういった背景から、ホーエンハイムの決意の強さがうかがえます。
またこの回を通して、ホーエンハイムが今でも家族を愛していることがわかります。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索