アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
エンヴィーの死
鋼の錬金術師においてホムンクルスは七つの大罪がモチーフになっており、言動だけでなく最終的な結末もそれぞれの欲に関連した死となっています。
「嫉妬」を象徴するホムンクルスであるエンヴィー。
最終的にエンヴィーは「人間に嫉妬している」という自身の核心を認めざるを得ない状況となり、その屈辱(嫉妬心)に押しつぶされるように自死します。
シーンの解説
賢者の石が尽きるエンヴィー
度重なるマスタングの攻撃で、賢者の石が尽きるエンヴィー。
復活して間もないエンヴィーは人形兵の数体分の賢者の石しかストックがありません。
加えてマスタングの高火力の攻撃で、あっという間に本体が露になります。
エド達の悟り
エンヴィー、お前、人間に嫉妬してるんだ。
人間は、お前らホムンクルスよりずっと弱い存在のはずなのに、叩かれてもへこたれても、道を外れ倒れそうになっても、何度でも立ち向かう。周りが立ち上がらせてくれる。
お前は、そんな人間が羨ましいんだ。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode54」(Abema TV)より引用
そしてエンヴィーの内面を突くエド。
屈辱に押しつぶされるエンヴィー
屈辱だよ。屈辱だよ。
このエンヴィーが、人間を羨んでる?
このエンヴィーが!
このエンヴィーが、こんなガキに理解されるなんて。
屈辱の極みだよ。
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode54」(Abema TV)より引用
「こんなガキに理解されるなんて」と、自分で人間への嫉妬を認めてしまったエンヴィー。
ホムンクルスの七つの大罪、七つの欲は、お父様(フラスコの中の小人ホムンクルス)がより完全な存在なるために自身から切り離したものです。
これによりお父様は嫉妬をはじめとした欲に関する葛藤を抱かなくて済むようになるわけですが、代わりにそれら欲求はホムンクルス達が確実に担うこととなります。
嫉妬という感情を見ないようにしていたエンヴィー。
しかしエドによってそれを言語化され、自死を選択します。
嫉妬から逃れられず最終的に目を向け苦悩するのは、エンヴィーの運命だったのかもしれません。
この先、その綺麗事がどこまで通じるか、せいぜい頑張ることだね。
バイバイ、エドワード・エルリック。
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode54」(Abema TV)より引用
自ら命を絶ったエンヴィーに対して、マスタングは「卑怯者」と言います。
戦闘中はエンヴィーのことを「馬鹿」、復讐に心を奪われていた自分のことを「大馬鹿者」、そして自ら命を絶ったエンヴィーを「卑怯者」とするマスタングの言葉が深いです。
マスタングの言葉は、復讐心や嫉妬心など負の感情に支配されることの愚かさと、これらに耐えて生きることの難しさを物語っています。
だからこそこれらに立ち向かわずに死を選んだエンヴィーに対して、マスタングは卑怯者という言葉が出たのではないでしょうか。
本編解説
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索