赤城郁実「子供の頃からかくれんぼは得意だったんだけどな」|青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第7話

 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」をはじめ、青春ブタ野郎シリーズに関するページです。

 適宜ネタバレを含みますのでご了承ください。




赤城の思春期症候群の正体

 子供の頃から、かくれんぼは得意だったんだけどな。

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第7話 ヒルベルト空間の彼方から(ABEMA)より引用

 2つの世界線の赤城が入れ替わっていたことがわかる第7話。

 これまで本編で咲太と会話をしていた赤城は、別の世界線(咲太と赤城が同じ高校に行った世界)から来た赤城であることがわかります。

 赤城が知っている卒業文集の内容に齟齬がある点から、咲太はそのことに気づきます。



解説

「#夢見る」の書き込み

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第7話 ヒルベルト空間の彼方から(ABEMA)より引用

 再び「#夢見る」に嘘の書き込みを行い、峰ヶ原高校で赤城と会う咲太。

 中学の頃、咲太に対する周囲の空気をどうすることもできなかった赤城。
 赤城はそのことに対する無力感や後悔を引きずることになります。

 そんな現実逃避から思春期症候群を発症。
 別世界の赤城は、咲太がいる本編の世界線に来ることになります。

 今、咲太と会話をしている赤城は、峰ヶ原高校に通う世界線(「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」にて咲太が迷い込んだ世界線)から来た赤城であることがわかります。


別世界の赤城に気づく咲太

咲太「本当は、誰かに気づいてほしかったんだろ?
 ここにいるのが本当の赤城郁実じゃないって」

赤城「なんで、そう思うの?」

咲太「逃げた自分を許せるほど、赤城は自分に甘くないんだよ。
 だからずるした自分を誰かに見つけてほしかったんだ。
 まぁ、そういうわけだから、『赤城見っけ』ってとこか?」

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第7話 ヒルベルト空間の彼方から(ABEMA)より引用

 赤城が知っている卒業文集の内容が、この世界のそれと異なっていることを知った咲太。

 赤城は「いつか優しさに辿り着きたい」と咲太が書いていたとします。
 しかし「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」にて咲太・麻衣・翔子が助かる世界線に改変されたこの世界では、咲太は翔子の存在の認知が高校生になってからになります。

 このため「優しさ」という咲太の価値観はまだ中学の卒業文集時点では明確になっておらず、赤城の言う卒業文集の内容は別の世界線のものであることがわかります。


本当は自分を見つけてほしかった赤城

赤城「子供の頃から、かくれんぼは得意だったんだけどな。
 でも、ずっとこのままでいられるなんて、思ってなかった。
 誰も気づかなくて、気づいてくれなくて、自分の存在がよくわからなくなってた。
 みんなが見ている私は、本当の赤城郁実じゃないのに、代わりの私でもいいなら、私ってなんなんだろう。ずっとそう思ってた」

咲太「これで、少しはわかったろう?」

赤城「全然わからない」

咲太「赤城は、なんでも一人で抱え込む欲張りな奴なんだよ。
 笑っちゃうくらい真面目で、ナースのコスプレがよく似合う。
 それが赤城だ」

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第7話 ヒルベルト空間の彼方から(ABEMA)より引用

 受験に失敗した世界ではなく、大学生になりボランティア活動を行っている今の世界に居心地の良さを感じていた別世界の赤城。

 しかしそれはどこまでいっても本来の自分の世界ではなく、そのことに対する違和感も拭えないままとなります。

 咲太が赤城の思春期症候群を理解したことで、そのような葛藤から解放された赤城。

 赤城は自分の世界に戻る覚悟ができます。



本編の解説

http://likiroku.com/aobuta-santa-arasuji-7/



参考資料

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