アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
ブラッドレイVSフー
第56話から第57話および58話にかけて描かれる、ブラッドレイVSフー。
この戦闘を通して、グリードの気持ちにも変化が見られ、そういう意味でも重要な戦闘であると言えます。
シーンの解説
フーの参戦
ランファンが腕を失くすきっかけを作ったブラッドレイ。
孫娘が腕を失くすことになった張本人を目の前にし、怒りで剣が震えるフー。
ちなみにこの頃、エド達と別行動をしていたランファンはブラッドレイがセントラルに戻ったことを一般兵から盗み聞きします。
こうしてランファンも後にこの場に駆けつけることになります。
王は民のためにあるもの
王は民のためにあるもの。
民失くして王はあり得ない。
あいつは自分の国の民をも見捨てようとしている。
あれは、俺の目指している者とは違う!「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode57」(Abema TV)より引用
重症のフーを目の当たりに、強力な感情の起伏でリンはグリードから肉体の主導権を取り戻します。
戦況は劣性の中、それでも瀕死のフーを見捨てないリン。
どちらも国を治める存在であるリンとブラッドレイ。
しかしブラッドレイとは真逆の思想を持つリンにグリードは考えさせられます。
フーの決断
そうですな。
休みを、暇をいただきましょう。
硬化しろグリード!
若の身体を守れ!
若、王になりなされよ。
この老いぼれは、ここで永遠の暇を頂戴いたす!
地獄へ付き合ってもらうぞ!ブラッドレイ!「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode57」(Abema TV)より引用
深手を負ったフーは、自分がどのみち助からないことを悟ります。
「休みをいただく」とは永遠の眠りにつくという意味ですね。
自分の腹部に巻き付けたダイナマイトに着火し、ブラッドレイを道連れにしようとするフー。
おそらく幼少期からリンのことを知るであろうフー。
リンが「王は民のためにあるもの」という信念を変わらず持ち続けているからこそ、ある意味でフーは「安心して」自分の命を懸けたのでしょう。
しかし決意もむなしく、最強の目を持つブラッドレイはダイナマイトの爆発をいとも簡単に阻止します。
腹をまっすぐ切られたフー。
切られたフーの腹はまず点々の血が切り口から出て、その後に線に沿って吹き出すというなんともリアルな描写。
ハガレンはキャラクターデザインは少年漫画らしい頭身ですが、作画の滑らかさやこういう細かい描写はリアルで、大人も楽しめるクオリティだなと思います。
このフーの一連の行動に、リンだけでなくグリードも動揺したり「馬鹿野郎!」と叫ぶ様子が、グリードの心境の変化を表しています。
リン達「人間」に次第に感情移入していくグリード。
バッカニアのアシスト
命をかけてもブラッドレイに傷一つつけられそうもなかったフー。
しかしバッカニアのアシストによりブラッドレイに致命傷を負わせます。
ブラッドレイの死角からフーごとブラッドレイを刺すバッカニア。
命をかけたフーの威厳を守ったという点でバッカニアの男気を感じますが、このシーンのさらに深いところは、バッカニアも死の覚悟を持ってフーをアシストした点ですよね。
体から剣を抜けば失血死することがわかっていながら、バッカニアは剣を抜きブラッドレイに攻撃します。
そして怒りを露にしながら攻撃するリンにより、ブラッドレイは左目も致命傷を負います。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索