漫画「月曜日の友達」に関するページです。
ネタバレも含みますのでご了承ください。
月野は水谷が好きだったのか?
思春期の葛藤を描いた漫画「月曜日の友達」。
「月曜日の友達」は解釈がいろいろできるような終わり方をしますが、月野は水谷のことが好きだったのでしょうか?
物語の文脈から察するに、
おそらく月野は水谷のことが好きでしたが、お互いの関係が恋愛関係には発展しないと、どこか一歩引いたところがあったようです。
月野の水谷に対する思い
物語が進む中で月野と水谷の仲は深まっていきます。
月野と水谷は第3話で「友達」になります。
そして第4話で月野は水谷にプレゼントを渡します。
このときの月野は屈託がない笑顔で、まさに水谷を大切な友達としている嬉しさのようなものがうかがえます。
しかしその心情が徐々に変化していく様子が見えます。
君が善意でそうしてくれたことは俺もわかってたんだ。
火木はすぐ許せたのに、なのに何故か水谷には拗ねてしまった。
なんでだろう。
月野「月曜日の友達 2」より引用
第6話、月野と水谷が仲直りをするシーンです。
水谷が月野にとって特別な存在であることがわかります。
よかったらもう、
月曜日だけなんてルールやめにしないか?月野「月曜日の友達 2」より引用
そして月野は水谷といつでも一緒にいられうよう、自ら重んじていたルールをやめることを提案します。
このとき月野は顔を赤らめ恥ずかしそうに言います。
そして第7話では、超能力を発動するために互いに触れ合うことを水谷が無邪気に提案すると、月野は顔を赤らめて躊躇します。
月野にとって、水谷が明らかに「異性」としての存在になっていることがうかがえます。
月野の一歩引いたところ
君がいつか大人になったときにふと、
時々でももし、この町で働いている俺のことを思い出してくれたなら、
それはどれだけ大きな幸いだろうと思う。けれどもし君が、
道を歩いている自分の傍に君がいてくれたなら、
それはどれだけ美しいことだろう。
そんなことを夢見てしまうんだ。
月野「月曜日の友達 2」より引用
そして第7話終盤、月野は水谷に告白ともとれるような言葉を伝えます。
しかしどこか一人で完結しているというか、水谷と恋愛関係に発展しないことを決めているようなニュアンスも受け取れます。
ふたりは変だからつまはじきもの同士と君は言った。
でも本当はわかってた。
君と俺は違う。
水谷は変じゃない。
強すぎるだけだ。流されずまっすぐで感受性や好奇心も強くそして独創的で、
眩しいくらい光を放つから、みんな扱いを迷うだけで人には好かれている。でも俺は、本当にただちょっと変なだけなんだ。
月野「月曜日の友達 2」より引用
第5話でも、月野は水谷に対して上記のように言います。
拗ねてしまったゆえの言葉でもありましたが、本心がまったくなかったとも言えないでしょう。
月野は水谷の才能のようなものをどこか感じていました。
月野は一生を地元でささやかに暮らすことを考えていましたが、水谷はそれに満足する人物ではないと感じていたのでしょう。
月野にとって水谷との関係はかけがえのないものですが、それが期間限定なものであることも感じていたのかもしれません。
おわりに
以上のように、どこか自身で2人の関係性を完結させていた月野。
大人から見ればもっと互いに素直になっていいような気もしますが、
こんなふうに自分からいろいろ考えて身を引いたりするのも、中学生の恋愛としてはなかなかリアルなのかなあと思ったりします。
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